日本酒の単位「石(こく)」とは?1石は何リットル?歴史と由来を徹底解説|新潟の酒蔵|高野酒造株式会社|

コラム

酒蔵のHPを見ている時、「年間製造量 〇〇石(こく)」という表記を見かけた事はありませんか?

普段の生活では聞き馴染みのない「石」という単位。実はこれ、日本酒の歴史や、かつての日本の豊かさを測る非常に重要な「物差し」だったことをご存知でしょうか。

今回は、知っていると日本酒がもっと美味しく、ちょっと得した気分になる「石」の秘密についてお話しします。

1. 「1石」ってどのくらいの量?

結論から言うと、1石(いっこく)は約180リットルです。 現代の私たちがよく目にするものに換算すると、以下のようになります。

・一升瓶(1.8L):100本分
・350ml缶:約514本分

なかなかの量ですよね。ちなみに、1石の10分の1が「斗(と)=18L」、さらにその10分の1が「升(しょう)=1.8L」です。日本酒のサイズが「一升瓶」なのは、この尺貫法の伝統が今も息づいている証拠なのです。


2. 江戸時代、1石は「大人が1年間に食べる米の量」だった

なぜ「180リットル」という中途半端な数字が基準になったのでしょうか。
その理由は江戸時代の「石高制(こくだかせい)」にあります。

当時の日本において、1石(お米なら約150kg)は「大人一人が1年間に食べるお米の量」とされていました。つまり、100万石の大名といえば「100万人の部下を食べさせていける力がある」という、まさに経済力の象徴だったのです。

酒造りにおいても、どれだけのお米を贅沢に使ってお酒を造れるかは、その地域の豊かさや酒蔵の格を示す指標となりました。

3. 日本酒の価値を決めた「酒株」の歴史

江戸時代、お酒は誰でも自由に造れるものではありませんでした。 幕府は「酒株(さけかぶ)」という免許制度を作り、米の収穫量に合わせて「この蔵は年間〇〇石まで造ってよい」と製造量を制限していました(これを「石数(こくすう)」と呼びます)。

お米は貴重な主食ですから、不作の年には「酒造制限令」が出て、造れる石数が減らされることもありました。 現代でも、私たち酒蔵が「今年は〇〇石です」と言う時、そこには「それだけのお米を農家さんから預かり、魂を込めて醸した」という、江戸時代から続く重みが込められているのです。

※高野酒造の契約農家の皆様


4. 現代の「石数」と贈り物

現在、日本酒業界では製造量によって蔵の規模を表現することがあります。

しかし、石高が大きければ良い、少なければ悪いというわけではありません。あくまで製造量を表す数値であり、どの酒蔵にもその酒蔵でしか醸せない日本酒が存在します。

私たちが造るお酒はこの「1石(100本分)」の積み重ね。

年末年始の贈り物として「一升瓶(1升=1/100石)」を贈ることは、実は非常に縁起の良い行為とも言えるかもしれません。

▼高野酒造のおすすめの日本酒(一升瓶)▼

▼【ネット限定品】干支ラベル 午 2026 純米大吟醸 1800ml▼

▼【限定品】越路吹雪 純米大吟醸 越淡麗35 1800ml▼

▼【ネット限定】 純米大吟醸 大地悠々 1800ml▼

次に日本酒のラベルや酒蔵の紹介文で「石」という文字を見かけたら、ぜひ江戸時代の風景や、お米を大切にしてきた歴史を思い出してみてください。

当蔵でも、今年の「石数」分の情熱を込めた最高の新酒が仕上がっています。

大切な方へのご挨拶に、127年の歴史というエッセンスを添えた当蔵の一本をぜひお選びいただければ幸いです。

越後酒蔵 高野酒造 公式オンラインショップ
https://shop.takano-shuzo.co.jp/

 

 

一覧を見る