酒蔵の玄関にある「茶色い玉」の正体は?実は〇〇を知らせる時計なんです!|新潟の酒蔵|高野酒造株式会社|

コラム

突然ですが、皆さんは酒蔵の軒先に、大きな「茶色の玉」がぶら下がっているのを見たことはありませんか?

居酒屋さんの前でも見かけることがあるかもしれません。

あれは「杉玉(すぎだま)」または「酒林(さかばやし)」という名前で、杉の葉っぱを集めて作った物なんです。

「和風でオシャレな飾りだな〜」なんて思って通り過ぎていませんか?

実はあれ、ただのインテリアではなく、「とある重要なメッセージ」を発信しているんです!

「新酒ができました!」の合図

杉玉は、毎年ずっと同じものがぶら下がっているわけではありません。

一年に一度、その年の「新酒」が完成したタイミングで、新しいものに取り替えられます。

作りたての杉玉は、杉の葉の瑞々しい「鮮やかな緑色」をしています。

つまり、軒先に緑色の杉玉が吊るされたら、それは酒蔵からの 「今年も美味しい新酒が搾れましたよ!フレッシュなお酒ありますよ!」 というお知らせなんです。

色がそのまま「熟成時計」になる

では、今ぶら下がっている茶色の杉玉は何なのでしょうか?
実は杉玉は、季節が移ろうにつれて、自然と葉が枯れて茶色くなっていきます。

この色の変化こそが、この杉玉のすごいところ。 杉玉の色が変わるスピードと、お酒が熟成するスピードはリンクしていると言われています。

緑色(冬〜春先): フレッシュな「新酒」の時期

薄茶色(夏): 若さが取れて味が乗ってきた「夏酒」の時期

茶色(秋): じっくり熟成して飲み頃になった「ひやおろし」の時期

つまり、蔵やお店の中に入らなくても、杉玉の色を見るだけで「今、この蔵にはどんな状態のお酒があるのか」が分かってしまうんです。 まるで「お酒の熟成時計」みたいですよね(^^♪

神様への感謝

もともと杉玉は、酒造りの神様である奈良県の「大神神社(おおみわじんじゃ)」から始まった風習だと言われています。

「今年も無事においしいお酒ができますように」 「出来上がったお酒が腐りませんように」 そんな造り手たちの祈りと感謝が、この玉には込められているんです。

 もし街中で杉玉を見かけたら、ぜひ色をチェックしてみてください。

当蔵の杉玉も、先月吊るしたばかり。

ご来蔵いただいた際には、色味にも注目してみてください♪

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