「純米酒」「吟醸酒」の違い|新潟の酒蔵|高野酒造株式会社
コラム

お店で日本酒を選ぶとき、ラベルには「純米(じゅんまい)」など、特定の名称が書いてありますよね。

他にも「吟醸酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」など様々な名称があるはずです。
「とりあえず純米って書いてあるのを選んでいるけれど、詳しくは知らない…」
「純米大吟醸と大吟醸、何が違うの?」
そんな疑問をお持ちの方へ。今日は日本酒の分類の最大の分かれ道、「純米」や「吟醸」についてお話しします。
原材料は3つだけ!

ズバリ、「純米」とつくお酒の定義はシンプルです。
使っている原材料が「米」「米こうじ」「水」の3つだけであること。
お米そのものの力を発酵させて造ったお酒です。
そのため、一般的に純米酒はお米本来の「ふくよかな旨み」や「コク」をしっかり感じられるのが特徴です。「ご飯に合うおかずは、純米酒にも合う」とよく言われるのは、このためなんですね。
「純米」じゃないお酒には何が入ってる?

では、「純米」と書いていないお酒(本醸造酒や、ただの吟醸酒など)は何が違うのでしょうか?
実は、原材料に「醸造アルコール」というものが加えられています。
こう聞くと、「えっ、混ぜ物をしてるの?」「純米の方が高級で偉いんじゃないの?」と思われるかもしれません。実は私も酒蔵に入る前まではそう思っていました。
でも、これは大きな誤解なんです!
あえて「純米」にしない理由
現代の酒造りにおいて、醸造アルコールを入れるのには、美味しいお酒を造るための明確な「技術的な理由」があります。
お酒を造る過程の中に、「濾過」という工程があるんですが、純米酒などはこの工程を挟むと香りが少し逃げてしまうんです。
ただそこでアルコールを加えてあげると以下のような性質があります。
①香りを引き出す: フルーティーな香りはアルコールに溶けやすい性質があります。
②味のキレを良くする: 後味をスッキリさせ、飲み飽きしない辛口に仕上げます。
つまり……
お米の旨みをどっしり楽しみたいなら → 「純米」
香り高く、スッキリ軽快に楽しみたいなら → 「アルコール添加(純米がつかないもの)」
どちらが優れているかではなく、「濃厚なラーメン」が好きか、「淡麗な塩ラーメン」が好きか、という好みの違いに近いんです。
当蔵のお酒で比べてみよう
この違いを知ってから飲み比べると、日本酒がもっと面白くなります。
[越路吹雪 純米70] …… お米の旨みたっぷり。お燗(かん)にしても美味しいです。

[越乃金紋 白露 本醸造 , 越路吹雪 吟醸酒] …… キリッと辛口で、食事の脂を流してくれます。




