「生酒」「生貯蔵」「生詰め」…何が違う?日本酒の「火入れ」を徹底解説!

コラム

日本酒のラベルで「生酒」や「生貯蔵酒」という言葉を見たことはありませんか?

「全部『生』ってついてるけど、何が違うの?」

そう思われる方も多いはず。

実はこれ、「火入れ(ひいれ)」という加熱処理をするタイミングの違いなんです。

今回は、お酒の味わいを決める重要な工程、火入れの種類や、それに伴う味わいの違いについてご紹介します!

~そもそも「火入れ」って何?~

日本酒造りにおける「火入れ」とは、お酒を60℃〜65℃程度に温める低温殺菌のことです。

これには2つの大きな目的があります。

悪い菌を退治する➡

お酒を劣化させる菌を殺菌します。

味を安定させる➡

お酒に残った酵素の働きを止めて、味が変わってしまうのを防ぎます。

通常、日本酒はこの火入れを「タンクに貯蔵する前」と「瓶詰めの直前」の合計2回行います。

※蔵によっては瓶詰の後に火入れをする場合もあります。

この回数とタイミングで、お酒の名前が変わるんです!

~違いは「火入れの回数」4つのタイプを解説~

火入れ

特徴

① 通常の日本酒(2回火入れ)

2回(貯蔵前・瓶詰め前or出荷前)

最もスタンダードなタイプ。2回加熱することで酒質が安定し、常温での保存が可能。

落ち着いた香りと、安定した味わいが楽しめます。

② 生酒(なまざけ/なまざけ)

0回(一切しない)

できたてのお酒をそのまま瓶詰めしたもの。加熱を一回もしないので、搾りたてのフレッシュな香りやピリリッとしたガス感が残っていることも。

デリケートなので、必ず冷蔵庫での保存が必要です。

香りだけでなく、味わいにも大きな違いが生まれます!

③ 生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)

1回(瓶詰め前or出荷前のみ)

「生のまま貯蔵」して、瓶詰の直前に一度だけ火入れをします。

生の状態で熟成させるので、生酒のようなフレッシュな風味を残しつつ、常温での流通も可能にした、良いとこ取りのお酒です。夏酒などに多く見られます。

④ 生詰め酒(なまづめしゅ)=火入れ: 1回(貯蔵前のみ)

特徴: 搾ってすぐに一度火入れをしてから貯蔵し、瓶詰めの時は火入れをしません。
※現在、高野酒造には生詰め酒の商品はありません。

~飲み比べて楽しもう!~

同じお米、同じ造り方でも、この「火入れ」が違うだけで味わいはガラリと変わります。

フレッシュでフルーティーな気分の時は「生酒」
食事と合わせてゆっくり楽しみたい時は「2回火入れ」や「生詰め酒」
キリッと冷やして飲みたい夏などは「生貯蔵酒」

その日の気分や料理に合わせて、選んでみてくださいね。

当蔵の商品で言うと、今の時期のおすすめは

「越路吹雪 蔵なま酒 純米大吟醸・大吟醸」です!
※生酒

「<裏>柳都 純米大吟醸 壱回火入れ」
※生貯蔵酒

日本酒のラベルは、暗号のような専門用語が多くて難しく感じるかもしれません。
でも、意味がわかると「自分の好みの味」を見つける大きなヒントになります♪

ぜひ「生」の文字を見つけたら、「お、これは火入れをしていないフレッシュなやつだな」と思い出してみてくださいね!

越後酒蔵 高野酒造 公式オンラインショップ
https://shop.takano-shuzo.co.jp/

 

一覧を見る